祈り
あつめて
1990.10.7.
ひとの悲しさをあつめて 燃やせたら いいな
悲しさが煙になって たかくたかく 空に昇って
ちいさな雲になれば いいな
青空にぽつんと浮かぶ 白い雲になればいいなあ
ひとのさみしさをあつめて 埋められたら いいな
さみしさが 大地に抱かれて やわらいで
ちいさな芽生えを生めば いいな
冬枯れの野にひとつ 春を告げる ふたばになるといいなあ
ひとの苦しさをあつめて 溶かせたら いいな
苦しさが 熱い熱い炎に溶けて
真っ赤な流れになれば いいな
鋳型に流して ステキな彫刻になれば いいなあ
ひとの痛みをあつめて 飛ばせたら いいな
痛みに翼が生えて はばたいて
空へ空へと 翔んでいけば いいな
いつか水平線の向こうから 愛をはこんで来てくれると いいなあ
ひとのこころをあつめて 抱きしめ合えたら いいな
こころとこころが やわらかに触れて
大きな大きな「夢」になれば いいな
それで世界を すっぽりと 包みこめたら いいなあ
なんでもかんでもあつめて 洗って干せたら いいなあ
こころが日を浴びて ぬくもって
ふわんふわんに 軽くなると いいなあ
広い広い青空にとんでゆく…
シャボン玉になれば いいなあ
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