「 伝説 」
1992.11.13金→2007.9.2日
むかし ちいさな泉の水が ありました。
むかし むかし わたしが まだ ちいさかったころ
そこに1羽の美しい鳥が 棲んでいました。
その鳥の翼は 瑠璃色に輝き
瞳は 南の海のように 澄みわたっていました
わたしたちは いくつかの季節を 泉のほとりで過ごしました
わたしたちは しあわせでした
・・・・・
そんなある日 わたしは ふと たずねました。
・・・ 「 あなたは ダレ ? 」 ・・・
鳥は ほんの少し悲しそうな目をして 言いました。
・・・ さようなら ・・・
そうして 泉の中に 消えるように 飛び立っていきました。
・・・・・
むかし まだ わたしが ちいさかったころの思い出です。
あれから いくつもの季節を 重ねてきたけれど
あの鳥と ふたたび出逢うことは ありませんでした・・・