道18 桃岩(1972) 2007年10月02日11:05
akiu 雲 道18 桃岩(1972)
桃岩
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広大な宇宙に 抱かれて
俺が 素っ裸で 浮かんでいる。
暗黒の闇の透明は 肌に… やけに冷たく感じられた。
星は 限りなくとおく 静かに 見つめている。
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ときおり 星が流れる。
ひとつ ふたつ みっつ …
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それは しだいに ゆるやかな 大きな流れとなってゆき
闇に浮かんだ俺を 押し流し始めた。
浪打ち うねりながら… ゆっくりと ゆっくりと
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流れは やがて 渦を巻いて 宇宙の奥底へと
俺を 引きずりこんでいった。
俺は 引きずり込まれないようにと…あがき もがいた。
泳いでも 泳いでも…
もがいても もがいても…
ねっとりとした 宇宙の闇が 冷たく 肌にまつわりついて
俺の 身体も心も 冷え切ってゆくのを
どうにも できなかった。
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真夜中に 俺は 目を醒ました。
なにやら 冷たくて 全身びしょぬれだった。
隣りで寝ていた 彼も 起きた。
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テントがつぶれて 俺たちふたりの上に
覆いかぶさっていたのだ。
外は 暴風雨だった。
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参照